せっかく銃を始めたのに、やめる人がいるって本当?2020/10/17

 

本当なのです。何故でしょう?

 きっと何回か出猟はしたけれど、シカには出会えないし、いたとしても散弾銃では撃てない距離だったのではないでしょうか?狩猟の醍醐味もシカを撃つ緊張感も経験せずに、銃は面白くないと諦めてしまったのではないかと推測します。

 そこで猟を始めてばかりのハンターに、簡単にエゾシカに出会える猟法を紹介します。一例は下記の通りです。私の住んでいる北見市から車で1時間30分ほど釧路方面へ走ります。マリも国道の禁猟区を過ぎたあたりの国道の駐車帯か林道(林業専用道/森林作業道/作業路)の入り口付近に車を止め、山に入ります。入る場所は自分がこのあたりがいいのではないかと思えるところで結構です。まずは経験です。国道又は林道から10mくらい山へ入ったあたりで薬室に実包を込めます。獲物はすでに近くにいてこちらの様子を窺っているかもしれません。シカがいるのは『道路からは見えない所』がキーワードです。その意味では山中が全てシカにとっての安全地帯なのだと考えましょう。ハンターは道路を走り車の中から見つけようとしますが、シカを見つけるにはその安全地帯に徒歩で入って行って探す方が見つける確率が高いのです。

 シカの能力を考えてみましょう。シカは人間の数百倍・数千倍の聴力と臭覚を持っていますから、不審者が安全地帯に入ってきたことはすぐに分かります。その時シカのとる行動は、『一定の距離』を保ちながら、何が入ってきたのかを聴力・臭覚・視力を総動員して確認しようとします。『一定の距離を保ち乍ら』ですのでハンターはなかなかシカを見つけられません。

 ではどうするか、方法は2つあります。一つは音を立てないで静かにゆっくり歩く事。二つ目は誰かに追ってもらう事です。追ってもらうと言ってもシカを驚かすために大きな音を出す等をする必要はありません。普通に歩くだけです。

 一つ目の方法の要点は、ゆっくり歩き、時々休みながら周囲に目をくばり、全身で耳も使うようにしてシカを発見し、仕留めます。汗が出るほど早く歩いてはいけません。人間がどんなに早く歩いても、シカは確実に一定の距離を保ちますから、鹿を追うだけになってしまいます。『ゆっくり休みながら歩く』これが第一のポイントです.これは昔から『忍び猟』と言われているものです。

 二つ目の方法は実は一つ目の考え方の応用です。シカは自分の安全地域に侵入者がいれば、一定の距離を保ちながら警戒し確認する習性があり、この点を利用するものです。どういう事になるかというと、何者かが安全地帯に入って来たと感づいたシカは、後ろを警戒しながら前方には無警戒のまま進むことになります。ハンターはその無警戒のシカを見つけゆっくり落ち着いて撃つ事が出来ます。

 第二の猟法は、広い山の中ですのでそんな旨い話があるはずがないと誰もが考えますが、それには対処法があります。動物が通る道には一定の法則があります。それは逃げる時も普段歩く時も、どちらもけもの道を通る習性がありますので、けもの道に注意を払って歩く事です。時々休みながらゆっくり歩き、自分の目と耳を120%使って歩きます。ゆっくり休みながら歩く事はこの二つの猟法の共通点になります。

 この猟法の利点はマイペースで山を歩けることで山中にはどんな木が多いか、獣道はどんなところに作られるのか、餌になりそうな下草の状況、シカの寝た跡、糞の有無等山の状況が良く分かるという事です。

 結論です。シカは、牧草地、畑、川の周辺、山の中等どこにでもいます。食料を得る為、水を飲む為、繁殖の為、睡眠の為に移動します。言い換えれば必ず目的を持って移動しているのですからどこにでもいる可能性を理解しましょう。それが理解できれば、山の中はシカの安全地帯なので、必ずいます。道路からは見えないだけです。マリも国道沿線の話を例に出しましたが、あなたの街のそばの畑の廻りの山にもいる筈です。車から降りて山へ入って見ましょう。山の中の鹿は必ず散弾銃の射程距離内で会うことが出来、撃つことができるでしょう。

 追加ですが、一人より、二人、二人より三人が間違いなくチャンスが増えます。猟の友達を増やしましょう。複数になったら簡易無線機を使い山中の状況をお互いに連絡し合う事がより勧められます。

 

  

   サイトイン(ゼロ点規正)の話

 獲物を捕獲するには、急所を狙い、正確に当てなければならないのは当然のことです。狙った所に当てるためには、完全なサイトインが必要です。これも当然のことです。ところが、射撃場では、 サイトインを正しく実行できているハンターが余りにも少ないことに驚きます。射撃場の管理者に聞いたところ、『サイトインが出来るハンターは10人のうち1人くらいかなー』という話でした。

 そんなことはないと異論が出そうです。が、実際できていないのが現実なのです。なのでサイトインの基本の基のお話しをします。

 まず最初にすることは銃身内の遺物の有無の確認です。次にすることは、銃身内にガンオイルが残っていないかどうかの確認です。クリーニングパッチ等を数回銃身に通せばこの2つの作業は 簡単に済んでしまいます。油分が残っていれば初弾の着弾点が狂ってしまいますので、銃身にオイルを引いた後には必ず油をよく拭き取って下さい。3つ目はスコープがしっかり取り付けられているかを確かめます。特に用心金の後方部分についてるスクリューが撃っているうちに緩むことがありますのでしっかり確認します。ネジが緩まないようにする為に接着剤を使う人がいますが、これは駄目です。再調整が出来なくなってしまいます。ネジを締めるには人の手で力いっぱい締めるだけで十分です。心配ならネジロックを使いましょう。ネジロックはホームセンターで1,000円くらいで売っています。

 スコープの確認が出来たら、今度はボア―サィティングです。ボルト式ライフル銃以外はボア―サイテイングが出来ませんので、コリメーター(サイタ―)を使いますが標的紙に当てる段階までと考えて使って下さい。話を戻します。ボア―サイテイングは、ボルトを抜き取り、A3用紙の2倍位の紙の中心に5㎝位の黒点を書き、約25ヤード(約23m)離れた所に貼ります。銃身の中を通して黒点が中心に来たところで銃を固定します。銃は動かさないまま、スコープのスクリューを回しレティクルを黒点に合わせます。これでボア―サイテイングは終了です。

 いよいよ今度はベンチレスト射撃ですがレストがなければ硬めの枕等を使います。先台部を レストに載せます。銃身部分を載せては銃身が曲がりますので、先台部分を載せます。引き金を引かない方の手は銃床の床尾に当てます。反動を抑えるために銃身の上に手を置く人がいますが、上半身に余計な力が入って正確な射撃が出来なくなりますので止めましょう。

 射撃場にある標的を、実猟の距離(例えば100m、200m、)に置きます。目をつぶらないで、 ガク引き等をしないように静かに3発撃ちます。1発毎にスコープを見て着弾を確認する人がいますが、何も見ずにとりあえず3発撃ちます。15㎝か30㎝の定規で着弾痕を調べ、狙った点に着弾を動かせるのですが、この手順は次回にします。

 

 今回はゼロインの基本の基、着弾中心点の求め方ですが、下図のように決めます。

 上図を理解し着弾中心点を決め、その着弾点を獲物の急所に移動させるのですが、その前に重要な事があります『銃のメーカーは命中精度に関し、ベンチレスト射撃では、100ヤード5発1インチ、3発だと1/2インチのグルーピング程度で出荷されると言はれています』。マシンレストで撃っても全てが同弾痕になる事はなく、ある程度のグルーピングを作るからです。ましてやベンチレスでは射手による様々な要素が入るのでこう言われているのです。

 では現実問題として、狩猟の為のサイテイングはどの程度のグルーピングを目標にすれば良いのでしょうか。獲物の急所は頸部が最も小さく約5㎝,頭部は約10㎝、前胸部はもっとも大きくて約20㎝です。急所の大きさから考えると私が考える目標は、中間値の100mで10㎝が適当と考えます。 100mのベンチレストでグルーピングを10㎝纏めるのは大変な事ですが、頑張りましょう。

 で、実際に100mでサイティングを始めますが、手順と弾数を考えて見ます必要な弾数は10発です。それはあまりにも少ないと言われそうですが、20発とか30発使ったハンターも満足しないで終える人が多いところを見ると、たくさん撃ってもどうかと思います。標的紙に向かっているとどうしても同弾痕が理想と思ってしまいますが、獲物の急所に当てることが目標ですので100m3発10㎝でいいと割り切りましょう。元に戻ります。手順と弾数は①最初の着弾中心点を決めるのに3発。②その着弾中心点を標的の12時のラインにもっていくのに3発。③12時ラインに微調整射撃に1発。④9時3時ラインに乗せるのに1発。ここまでで合計8発です。あと2発が残りますが、③と④でもし納得がいかない所に着弾した時の確認射撃に使います。

 詳しく説明します。①の3発は全ての判断基準になるものですので標的の0点に向かって慎重に撃ちます。この3発の弾痕が一番重要で、10㎝以内のグルーピングが出来なければ次には進めません。出来ない場合は銃が悪いのか、スコープが悪いのか人なのか判断します。銃に関しては銃腔内の油をしっかり拭き取ったか、フロントとリアのガードスクリューは緩んでいないか、先台・銃床も緩んでいないかどうかを確認します。スコープも同じでベースとリングのスクリューを確認します。これらのチェックが終わり全て完璧だとしたら、①の3発から再開します。それでも10㎝にならない時は、私の経験ですが日を改めると良いと思います。理由は日毎の体調かなと思いますが、納得のいく結果になった経験があります。日を改めてもダメな時はスコープが壊れたと判断し、修理に出します。

 次は②です。①で決めた中心点と標的の12時ラインとの距離を測ります。ほとんどのスコープは100ヤード4クリックで1インチ動くと表示されています。日本の射撃場はm規格ですので、100m4クリックで2.8㎝動きます。これで回すクリック数が判りますが、私は判りやすいように1.5倍 回して3発撃ちます。当然弾痕は行き過ぎます。

 次は③です。標的の12時ラインに線に乗るようにクリックを戻し1発撃ちます。もし標的の中心線に乗らなければ、クリックを動かしもう1発撃ちます。これで8発使いました。

 ④今度は縦方向の移動です。ここまでくるとクリック数と弾痕の移動量が判っていますので、必要なクリック数を回し1発撃ちます。これで9発使いました。これで目標の点に弾痕が出来る筈ですが、納得がいかない時はクリックを回し最後の1発を撃ちます。上手くいったでしょうか?納得がいかない場合、私はクリックを回し調整しますがもう撃つことはしません。弾着中心点を決めて以来 ②で3発、③で2発、④で2発と合計10発撃ちました。これ以上はサイテイングではなく射撃の練習と割り切りましょう。ですからクリックをいじる事はしません。自分の射撃を信じましょう。

 繰り返しです。サイティングは10発で終えるのが理想です。沢山撃たなければならないのは射撃の練習です。空撃ちも混ぜてたくさん練習しましょう。