オヤジのホンネ

ホンネを述べます。長年銃砲業界にいて、特に感じたのは銃砲に関する誤解と無理解がはびこっている事
です。間違ったことは1日でも早く正しく理解して頂きたくこのブログを書きました。

当たると当てる

 

 始めから禅問答にでも出てきそうな題ですが、この2つの言葉は全く違います。上手なベテランですとその意味が解ると思います。簡単な言葉ですが、実は狩猟と射撃にとって重要な意味を持ちます。
 この『ホンネ』を見ているハンター・シューターにはいないと思いますが、弾に聞いてくれとばかりガンガン発砲する人がいます。その人が言うには『撃たない獲物は当たらないから』と言います。これが片面の真実なのですが、もう一方に『狙わない獲物は当たらない』と言うハンターもいます。この言葉の方がより銃の本質に近いと思います。
 『銃は当たってなんぼ』ではなく『当ててなんぼ』の考え方が正解です。『当たった』のか『当てた』のかは大事な分かれ道なのです。銃は狙ったものに撃つ事よりもしっかり狙い当てる事が大切なのです。皆さんの同僚や先輩の中には、獲った獲物の自慢ばかりする人がいると思いますが、その方の失敗談を聞いた事がありますか?自慢話より失敗談は聞いている人の参考になり、明日の上達のためになるのですが、『獲った、獲った』の話ばかりでは、実力で獲ったのかまぐれ当たりで獲ったのか判断に苦しむところです。私ははしっかり狙えなかった場合は発砲しません。当たるはずがないからです。
 銃砲に関連する人や団体の中には、沢山の誤解や間違い、感違いがあります。商売優先の考え方にまどわされないで、皆さんには良く狙い上手に撃つハンター・シュータにーになられることを期待します。 
 次回は『空撃ちはダメ』と言われている誤解についてお話しします。

 

 

 

 

 

『空撃ちはダメ』

 

 銃に関係するするほぼ全ての人は、『空撃ちはダメ』といます。でもなぜ駄目なのかその理由をはっきりと言える人には私は未だ会ったことがありません。ほとんどの人は『みんなが言っているから』とか『昔から言われているから』『カラ撃ちは銃が壊れるから』と言うのがその答えです。
 『みんなが言っているから』と『昔から言われているから』はさておき『銃が壊れるから』については、改めて考える余地がありそうです。現在カラ撃ちが原因で銃を壊した経験のある人がいるでしょうか?いればお目にかかりたいと思います。何十年も前にはあったかも知れませんが、銃の改良が進んだ現在では全く考えられません。
 カラ撃ちが銃に悪いとすれば、銃を撃てばもっと激しい振動が伝わりますがます。その衝撃で壊れた事があったかなかったか?と考えてみて下さい。改良の進んだ現在ではほぼないはづです。壊れるのは金属疲労等の物理現象なのです。ん。
 それよりカラ撃ちは非常に大きな利点があります。それはカラ撃ちには大きな音も反動もない為、カチッと音がした時に撃発の確認が出来る事です。人は狙った点で撃発すると考えますが、狙った点と撃発の点が違うのが普通です。狙う事と撃発の間にはどうしても時間差が生じるからです。静かに固定的を撃つ時は勿論、移動的を撃つ時も、カラ撃ちを通じてトリガーの落とし具合を経験する事ができます。止まってまっている目標も動いている目標でも、お金も実包も不要で練習できます。カラ撃ちの利点を生かし実包を発射すれば大きな反動で体が疲れるしお金もかかります。皆さんには費用を掛けないで上手になってもらいたいものです。
 これが全てではありませんがクレー射撃でも言える事です。弾を撃つことがだけが上達の秘訣ではありません。休んでいる間に上手な選手の体のバランスのとり方だとか体重の掛け方などを細かく分けて分析すること等は大事な事です。上手な人のやっている事とあまり結果の出ていない人と比較する事も効果があります。むしろ打つ事より重視すべき事だと私は 思います。弾はあまりたくさん撃つよりも色々他の射手の分析をした方が良い。鉄砲屋のオヤジだった者の本音です。

 

 

 

 

ネジを締める事について

 

 皆さんネジを締める事はありますよね?その時どれくらいの力で締めますか?緩まないようボンドをつかう事がありますか?実は知っているようで知らないネジの締め方についてのお話しです。
 締め付け強度は色々なHPに載っていますが,大雑把に言うと、ネジに合ったドライバー(幅と厚み)を使い、力一杯に締める事で十分だと考えます。緩まないようにとボンド等を使う事はやめてください。締め直す時に苦労しますから。
 それではネジが緩む原因ですが、その固定したい物が正しく収まっていない時にネジを締めても、振動で緩みます。ネジは締める前に固定するものが正しく収まっていてシッカリ締めれば緩むことは有りません。
 ネジではありませんが、銃をトランクケースの中に入れ、車の後部座席に入れておいても、スコープが狂う事があると悩んでいる人がいました。これは心配のし過ぎです。撃った時の銃の反動と後部座席の振動を比べて考えると分かります。
 簡単な事ですが、ネジはネジの溝に合った正しい厚さと幅のドライバーで力一杯締める事で十分です。ドライバー以外の道具でネジが壊れるくらい締めたり、ネジが緩まないようにと接着剤等を使う人が余りにもたくさんいますので、この誤解を解くためにこの分を書きました。

 

 

 

 

スコープが狂う事という事

 

 『スコープが狂っていて獲物を逃がしてしまった』と言うハンターが多くいます。その時当社では保証書の通りにアメリカのメーカーに30本ほど送り修理を依頼しましたが、修理が必要だった物はわずか1本のみでした。あとは『おかしい』と言う本人の訴えにすべての項目をチェックしただけで送り帰されてきました。メーカーで『異常は見つからなかった』のです。
 『スコープが狂うという事について考えてみたいと思います。当社では射撃場で5発撃ち、そのグルーピングが何センチになるからこのスコープが狂っていると言った人は稀でした。ほとんどの人は獲物に当たるものだと確信して撃ったのに当たらおきからスコープが狂っていると判断したようです。狂ったという判断が狂っていたようです。
 世の中にはいろいろなメーカーがあります。大まかに言って責任を持ってスコープを作るメーカーは、銃の値段の1/2位から倍位の値段をつけます。ですから1万円や2万円の安い製品は偽物かオモチャだと思います。あの何トンもの衝撃に耐えるスコープを作るのですから、細部にわたって目に見えない大変な苦労を重ねています。逆に言いますとそれなりの価格を設定してあれば簡単な衝撃で壊れてしまうものは無いと言えるでしょう。
 『当らない』原因は言いずらいのですが、スコープではなく本人の練習不足の結果だと思います。スコープは目からコブシ1個くらい離して見るものなのですが、獲物が見えればいいというものではありません.スコープのセンターラインの延長線上に黒目の中心がいつもくるように撃つのが正しいと言われています。もしセンターラインの中心から黒目がずれるとしても、サイト合わせも実際撃つ時も同じ位置にあれば実用上問題はないと思います。とはいえセンターラインの中心で狙うのが王道だと思います。
 先の『ホンネ』でも書きましたが、家の中でも出来るカラ撃ちが非常にいい練習が出来ますので、是非実行して下さい。引き金を引く前には実包が入っていない事の確認もお願いします。
 ついでながら空打ちケースについて一言。銃は撃針が雷管をたたいた瞬間発砲します。ではその撃針はどこに当たりその動きを止めるのでしょうか。雷管に当たり止まるのでしょうか?正解は撃針の構造上機関部に作った出っ張りに当たりその前進を止めます。雷管に当たって止まるのではありません。
 そこで一つの疑問が出てきます。銃砲店で扱っている空打ちケースの役割です。撃針の前進を止めるのは構造上の出っ張りだとすれカラ打ちケースは無用です。不安ならば自分の撃った後のケースでも入れておきましょう。
 ですから、当社で空打ちケースはお勧めしません。それでも私の不在中に注文を受けてしまう事があります。皆さんの 常識が買ってしまう1例です。これは変な事を考える鉄砲屋の考えです。

 

 

 

 

獲物を早く見つけるには

 

 猟は相手が自然界の生き物ですので、まず見つける事から始まります。どう考えればば見つけ易いか考えてみます。
先ず①には自然界には意外と少ない、黒くて丸いものを捜すのが近道です。自然の中にある物で黒くて丸い物はあまりないと言えるからです。
 次に太い木の傍を捜します。それはたとえ細い木でも胸部を隠そうとする動物の習性がある事を利用した考えです。
 結論は『太い木の傍の黒くて丸いものを捜します。』私などは眼が弱いので、暗くごちゃごちゃしている山中よりも、明るく障害物も少ない畑とか牧草地で獲物を捜そうとしますが、そこは獲物にとって、何処から撃たれるか分からない危険な場所ですので、あまりいたくありません。もしいたとしても非常に用心します。最近では例え400m離れていても草地や畑であれば車が来ればすぐに逃げ出せる姿勢で草を食んでいます。ハンターは400m以上離れた距離を正確に撃つ技能が求
められます。これは北海道の様な広い土地の話ですが、本州の様な狭い土地でも獲物の習性は変わりませんので、黒くて丸いものを捜す事には変わりません。
 更に大事なのは練習です。カラ撃ちを繰り返し、何処で撃発するかを体得できれば鬼に金棒となること請け合いです。特に本州では獲物が近いので立射が多くなりますので、カラ撃ちで練習をしましょう。
 皆さん頑張って下さい。

近年は全国いたるところでクマと人間の出会いがあり、危険な世になってきたとの新聞報道を目にする事が増えています。何年も前の事ですが北海道環境生活部環境生活局自然環境課がベテランハンターの生の声をまとめた『ヒグマ捕獲テキスト』を発表しました。これはその要旨を纏めたものです。皆さんは全てには同意できないでしょうが、クマ捕獲以外にも
非常に参考になることも多いと考え、ここに要約しました。。

 

【ヒグマ捕獲熟練者の意見】
・1. 安全第一。決して無理をせず、条件が良いときを待つこと。
・2. 捕獲に携わっているときは気をゆるめず、全神経を集中する。
・3. 自分の自信がある条件のときに撃つ。ときには撃つのをやめる勇気も必要。
・4. クマの生態や習性を知ること。そのことで捕獲の機会が増え、危険も避けられる。
・5. 恐怖心はよくない。冷静に対応できる度胸が必要。
・6. クマにも一頭一頭個性がある。決めつけてかからず、あらゆる状況に対応できるようにする。
・7. 地形や自然の条件が違えば、クマの性質も違ってくる。
・8. クマの気持ちになる。
・9. ブッシュが多く見通しの効かない場所では、散弾銃を使用する。
・10. 故障しにくく、装填時の音が小さい(ヒグマに気づかれにくい)のでボルトアクションを使用している。
・11. ボルトアクションの銃は慌てて操作すると弾が「かんでしまう」ことがあるので、落ち着いて操作する必要がある。
・12. 自動銃でもきちんと整備していれば安全性は高い。
・13. ヒグマが近いときには次弾の装填が早いので自動銃がよい。
・14. 口径が小さいライフルでもきちんと急所を狙えば、十分にヒグマを捕獲できる。
・15. 軽くて持ち運びのよい銃がよい。
・16. ブッシュが濃いところでは銃身が短い方が扱いやすい。
・17. 山(つき場と通り道)を覚えること。
・18. 餌場になる場所を覚えておいて、時期になると見てまわる。
・19. 足跡の向かっている方向で、行き先を見切る。通り道を覚えておいて、先回りする。
・20. クマも歩きやすいところを歩く。
・21. 山の7合目あたりで、日当たりがよく風が当たらない場所で休んでいることが多い。
・22. クマも逃げやすい場所で休む。
・23. 人に追われた経験があるクマは、山の上のほうにいる傾向が強い。
・24. ササの倒れ方で通ったかどうかを見分ける。シカの場合は跳ねて歩くので、ササのかえり方が違う。
・25. クマがいそうな餌場の見当がついたら、風向きに注意してクマより高い場所に移動する。
・26. 足跡を確認しながら追跡する。追うよりも先回りするようにする。
・27. 場所を把握したら、風をみる。常に風下から近づくようにする。
・28. 足音を立てずに忍びで近づく。全神経を傾けて歩く。
・29. 音を消すために靴を脱いで靴下で歩く。
・30. 足跡よりも20-30m高い場所を歩く。
・31. 近くなってきたと思ったら急ぎ足にならない。
・32 クマに近づいてくると独特のにおいがしてくる。
・33. 風倒木や大木の近く、地形の低みに気をつける。隠れて寝ていたり、餌を食べていることがある。
・34. 足跡を追跡するときは、前だけでなく周りにも気をつける。
・35. 木の上にいることがあるので上にも気をつける。
・36. 親子のときは上にも注意。子は驚いて木に登る。
・37. 「走った跡があったら追うものではない。」⇒気づかれたクマに追いつくのは難しい。
・38. 風が強い時、天候が荒れているときは忍びで近づきやすい。
・39. 雪の後に晴れて、樹上から融けた雪が落ちるような日も音がまぎれるのでよい。
・40. クマが眠たくなってくると、足跡がふらつく。⇒寝そうな場所を探す。
・41. 巻き狩りをしようとするところにクマがいるかどうかの確認が重要。クマに気づかれないように見切りをする。リーダーの  指示に従うことが大切。勢子は目立つ服装と声を出すことを忘れない。待ちは、矢先に十分注意する。複数の待ち  がいる場合には、隣の待ちのクマは絶対に撃たない。
・42.  クマは追い上げ、シカは追い下げる。勢子は複数で音を立てながら歩く。待ちは木を後ろにして決して動かない。  動かすのは目だけにする。
・43. よく通る場所の近くに待ちを配置する。シカに比べて待ちを大きく配置する。勢子は発砲音がしたら銃を構えて動  かない。クマが戻ってくることがある。無線機をうまく使う。リーダーを 1人にする。
・44.  2-3人で実施する。クマの通り道を把握し、一人が足跡を忍びで追う。残りは尾根伝いに先回りをして待ちをか  ける。待ちが多いと、クマに臭を取られて勢子を交わして逃げてしまう事がある。
・45. リーダーが重要。通り道に人を配置する。クマも明るいところは行かない。待ちは見通しが利くところで待つ。木の上  でもよい。決して動かず、ヒグマとの距離が近づいたら無線機も使わない。クマの姿を確認してから、銃を構えて安全  装置を外すようにする。勢子は笛などで音を出し、ヒグマがいそうな場所をチェックしながら、足跡を追う。
・46. 待ちを通り道に配置する。暗いところ(針葉樹が多いところ)に重点的に配置する。勢子が忍びを兼ねる場合に  は、基本的に静かに歩く。近くなったら撃たれないように声を出す。待ち同士の位置が大切。矢先の危険があるので  基本的に移動しない。移動するときは無線で必ず連絡する。待ちは立木を前に置いて待ち、絶対に動かない。いつ  でも撃てるような準備が必要だが、安全装置をかけ矢先に注意する。
・47. 基本的に朝早く、日の出ぎりぎりに見回りをする。(日の出前発砲は禁止)
・48. 早朝と夕方に遭遇することが多い。
・49. 人里から遠い畑では昼間に入ることもある。
・50. 食べ跡で新旧を判断する。
・51. 朝と夕方にまわり、毎回足跡を消しておく。
・52. 何回か巡回を繰り返すと出ている時間や出入り口が分かってくる。
・53. 車を手前に止めて歩く。近くに行ったら 2‐3 分静かにしている。風向きが大切。
・54. 複数で来て、わざともう一人が音を出しながら帰る。クマに戻ったと安心させる。
・55. 出入り口から足跡をたどり、待ちのポイントを探す。
・56. 15時頃から動き出すことが多いので、昼過ぎから待ちをかける。
・57. ヒグマに人間の臭い感じとられている場合は、臭いの強い草で人間の臭いを消す。
・58. 出入り口に糸や草の茎を置いて出入りの状況(向き)を確認する。
・59. 近づけて撃つ。自信のある距離で撃つ。
・60. クマの様子を見ながらさらに近づくかどうかを決める。
・61.できるだけ至近距離(50m前後)で撃つ。
・62. ほとんどは100m以内で撃つ。
・63. クマから目を放さないことが大切。両目をあけて撃つ。
・64. 下からは撃たない。クマと同じか高い場所から狙う。
・65. 自分より上にいるときは撃たない。上にいるものは足元に落ちてくる。
・66. 遠いものは撃たない。逃げるクマは撃たない。向かってくるクマを撃つ。
・67. クマとの間に細い木がたくさんある場所を挟んで撃つようにする。クマが突進しにくい。
・68. 立木に体や銃をつけて安定した姿勢で撃つ。
・69. 自分で確実に撃てる状況で撃つ。息を整えてから立木などに依託して撃つ。
・70. クマが向かってきても大丈夫なように、立木などを盾にして撃つ。
・71. クマが動いているときは、動きを先読みして構える。
・72. どこを狙っているかを意識していなければいけない(冷静でいること)。
・73. クマの骨格を知ることが第一。
・74. クマが立っているときや正面を向いているときはあごの下を狙う。
・75. クマが後ろ向きのときは尻尾の付け根を狙う。
・76. 横から狙うときは前足を出したときに脇の下を狙う。
・77. 心臓に当たっても40mぐらい走ってきたことがある。
・79. 心臓は体勢によって位置の把握が難しい。立ちあがると下がる。
・80. 肺に当たっていれば、のどを鳴らすので、出血していなくても音で分かる。
・81. 弾が当たれば声を出す。弾が当たったところを噛むような動作をする。
・82. 脳がしっかりしていると、動いているものを目掛けて襲ってくることがある。
・83. 音がすると頭を動かすので、頭を狙うのはよくない。
・84. 頭を正面から狙って弾がはじかれたことがある。
・85. 肩骨に当たらないように気をつける。
・86. 急所に当たっても逃げるのもいれば、当たり所が悪くても倒れるものもいる。
・87. 急所に当たっていれば、当たった瞬間に腰がガクッと落ちる。
・88. 着弾後、上に向かって走るクマはダメージが少ない。
・89. 倒れてもすぐには近づかない。絶命していることを確認してから十分注意して近づく。
・90. 止めを撃ったときに、きちんと当たったかどうかを見ることが大切。止めは難しい。
・91. すぐに撃てるような体勢で近づく。遠巻きに見ながら安全、慎重に対処する。
・92. 倒れていても後ろから近づく。決して頭(正面)からは近づかない。
・93. 近づいてからも棒で突くか、石を投げてみて反応をみる。
・94. 手を前に出している場合には危険。
・95. 危険なときは一人で追わない。応援を頼む。
・95. 逃げた直後にすぐ追いかけると逃げ続けて見失うことがある。
・96. 血の跡があっても、すぐに追うものでない。30分から1時間後に追うべき。
・97. 雪が残っているなど条件が良ければあせらず次の日に対応する。
・97. 逃げる場合、坂を上がっていくかどうかをみる。
・97. 血のつく高さや場所で、どの箇所に当たっているか見当をつける。
・99. 倒木を跨いだり潜るときに残る血の場所で、傷口の位置を判断する。
・100. 内蔵に当たれば黒い血が多く出る。かすり傷であれば鮮やかな血が少量出る。
・101. 半矢になっていたら、茂みの濃いところに逃げる傾向がある。
・102. 血をたどっていると急にずれることがあるので注意する。(止足には最大の注意)
・103. 追跡するときは直線的に歩かずジグザグに歩く。
・104. 追跡する人の後ろには冷静で腕のよい射手をつける。
・105. 半矢のクマも余力があれば逃げるが、追い詰められて逆襲することもある。
・106. 死ぬ寸前まで弱っていると丸まっている。そうでなければ顔を起こすか睨んでいる。
・107. 足跡をそのまま10mぐらい戻り、脇に跳ばれた。(止足。危険)
・108. 止め足を何度もジグザグに繰り返すことがある。沢を歩いていて急に斜面を上ったり、倒木の上や川の中を歩くの   も止め足の一種。
・109. 寝るだけなら止め足は少ない。穴に入る前はたくさん止め足を使う。
・110. 止め足があったら上に気をつける。
・111. 止め足を使われて気づいたらすぐ脇に来ていてうなられた。
・112. 半矢でなければ止め足で襲ってくることはない。半矢のクマの止め足は危険。
・113. 無駄な殺生はしない。子連れは撃たない。
・114. 親を先に捕獲する。子がいても撃たないで親を探す。子を先に撃つと逆襲がある。
・115. 子が複数のときは別々に逃げることが多い。
・116. 親は絶命しにくいので、安全のためきちんと死亡を確認するほうがよい。
・117 クマは弾に弱いので、体のどこかに着弾させる。その後落ち着いて止め矢を撃つ。

 

〘ヒグマ捕獲テキスト〙 より
  北海道環境生活部環境局自然環境課発行

 

 

 

〖罠について
・118. 畑ではなく、通り道を見つけて少し離れた場所に置くと良い。
・119. 畑に出没している場合は通り道を見つけ、通り道に対しわなの入口が直角になる形で置くと良い。
・120. 畑に出没している場合は、ヒグマの通り道のうち、出口よりも入口の方に箱わなを設置する。
・121. デントコーン畑に出没している場合は畑の中に置くと良い。
・ 毎年決まった場所に出没する場合には、ヒグマに警戒されないように、あらかじめわなを置いておくほ   うが  良い。
・ヒグマの出入口を荒らさない。
・タバコをすわない。手袋をする。人の匂いをつけない。
・人が触れたところなどに匂い消しとして蜂蜜などを塗るとよい。誘引効果もある。
・匂い消しとしてヨモギを使用する。
・箱わなに木の枝や草をかける。その際に使用する草木はわなから離れた場所から持ってくる。
・横だけでなく入口にも木の枝や草をかけて少し見える程度にする。ヒグマが中に隠れるような感覚にすると良い。
・箱わなの中に草を敷いて、周囲の地面と変わらないようにする。また、ヒグマの中には、外側から餌を取ろうとするものや 箱わなを倒して餌を取ろうとするものもいますので、杭や立木を利用して番線などで固定しておくことが必要です。
・餌が水に濡れないように、箱を二重にする。
・警戒心の強いヒグマに対しては、餌の味を覚えさせることが重要である。最初はわなの外に餌を置き、餌についたら、  徐々にわなのほうに近づけていく。わなの中でも手前から奥へと餌をずらしていく。わなの中でも餌をジグザグに置くよう にするとヒグマが誘引されやすい。
・わなの奥、踏み板の前、わなの外の3ヶ所に餌を置く。わなの外の餌は量
を多めにして、ヒグマに味を覚えさせる。外に餌を置くことで、奥の餌に執着して周りを掘るなどの行動を防ぐ。一度餌を食べれば、警戒心を弱めて、奥の餌を食べるようになる。
・誘引用の餌を高い木にぶら下げる。匂いが広がり、他の動物にも取られにくい。蜂蜜の場合は、ペットボトルに 3 分の 1 位入れて、上部にスリットをつけて、周辺の木の上に吊す。・わなを置く前に穴を掘り、シカの内臓などを埋める。そのうえにわなを置き、地面から腐敗臭がするようにする。その際、クマが周りからは掘れない場所に埋める。
・餌にエゾシカ肉を使うときは、最初はわなの外におき、少し腐ってきたら、中に入れてワイヤーにつなげる。少し腐敗するぐ らいが良い。
・餌に蜂箱を使う時には、蜂が出入りするように巣材も残すようにする。
・警戒心が強いクマの場合は、最初に餌につくまでは手袋をする。
・トリガーを深めに差し込み、少し引いただけでは作動しないようにする。
・キツネ対策として、入口から少し入ったところに、細い魚網を全面に張りつける。ヒグマは魚網を破って入ってくるが、キツネを防ぐことができる。
・猛禽類に餌を取られることと、直射日光での餌の腐敗を防ぐために、わなのまわりをコンパネで囲う。
・サケやシカ肉はナイロン製の土嚢袋に入れる。ハエがつかず、交換も楽になる。
・大きいわなを使用して餌を高いところに吊るし、キツネなどが取れないようにする。
・誘引用の餌(エゾシカ肉の場合)は大きい塊を使うと、他の動物に引っ張られない。
・蜂蜜の場合、スズメバチが集まってくるので、金網でふたをする。
・ヒグマが箱わなを外からゆすったため、扉が閉まり、わなごと転がされた。その後、固定して再設置したら捕獲できた。
・格子の間から手を入れられて、鉄筋を曲げられた。鉄筋を太くして、格子の幅を狭くした。
・ヒグマが入口に体当たりして、入口が曲がってできた隙間から逃げられた。
・踏み板をまたがれて餌だけ取って逃げられた。
・ヒグマが餌を引っ張ったときに、餌が踏み板に引っかかり、逃げられた。
・わなが小さくて、扉がヒグマに当たって逃げられた。その後、大きいわなを設置して捕獲した。
・安全装置をセットするのを忘れていて逃げられた。
・安全装置がうまくかからず、逃げられそうになった。止めを撃つときに危険だった。
・止めさしを真横から撃ったのに、口から弾が抜けたことが2回あった。理由はわからないが、骨に当たって変化したかもしれ ない。
・作業中に扉が落ちて出るのに苦労した。その後はストッパーとして扉の下に木を差し込むようにしている。
・わなが傾くぐらいに周りをほられた。その後は、わなの下に垂木を敷くようにした。
・親子のうち子がつかまったときに、近くで親がうなっていた。
・わなのアームの長さが長いほうがよい。ワイヤーの収縮長が伸びるので、くくりの輪を大きくできる。市販のアームが短いわなでは大きなヒグマを捕獲するのは難しい。
・踏み板を小さいものにすることで、誤作動が少なくなる。また、掘る穴も小さくて済むので、ヒグマに警戒されにくい。
・直径6mm以上のワイヤーが望ましく、これ以下の径では切れる可能性がある。
・一般販売のワイヤーは、芯にナイロンや麻が使われていて強度が不十分である。また、ワイヤーの素材の鉄は固いと切れ てしまうので、軟鉄のほうが良い。
・4分(直径12mm)のワイヤーをほぐしたものが、丈夫で使いやすい。
・捕獲されたヒグマが暴れるうちに、ワイヤーがよじれることがある。
・頑丈なより戻しをつけてワイヤーのネジ切れを防ぐ。
・捕獲によって少しでも傷んだワイヤーは次回から使用しない。
・警戒心の強いヒグマの場合、出没を繰り返す中で、何箇所も出入り口を作るので、早い段階でわなをかけるほうがよい。
・被害箇所に近づくにつれて、出没経路が増えてくるが、少し離れたところでは経路が絞られるので、そうした場所を見つ けて設置するとよい。
・箱わなの餌にはついているが、警戒して中には入らない個体に対して、箱わなの回りにくくりわなをかけて捕獲した。
・安全対策として同じ場所に 2 個かけて、足が 2 本かかるようにするのが望ましい。
・設置場所を高くする、あるいは地面が高くなっているところに設置する。
・わなの手前に丸太を置き、丸太をまたいだところにわなを設置する。ただし、丸太が大きすぎると丸太に足をかけてしまう のでよくない。
・手袋をして、わなには素手でさわらない。
・できるだけヒグマの通り道を荒らさないように少人数で手早く作業をする。
・雨の日の前に作業をすると匂いが消えて良い。
・匂い消しとして、人が触れたところに蜂蜜を塗るとよい。誘引効果も得られる。
・オイル缶にスプーン1杯の割合で苛性ソーダを水に溶き、ワイヤーを煮る。その後、ナラの木の皮を煮出したもので、再度煮 ると良い。ただし、煮すぎるとワイヤーが腐食してしまうので注意が必要。
・ワイヤーの止め具が折れて逃げられた。
・ワイヤーがねじれて切れた。
・わなの直径が小さくて大きなクマでは足にかからなかった。
・くくりわなを太い丸太に繋げておいたら、丸太ごと引きずりまわしていた。
・ヒグマが木の根元に隠れていて、近づいたらいきなり飛びかかってきた。
・3本の指だけがワイヤーがかかっていた。
・カモフラージュとして、ワイヤーの上に草をかけておいたら、雨降りの後ワイヤーに絡まり、はねあがりが遅くなってヒグマに逃げ られた。
・大雨のときに落とし穴に土が流れ込み、踏み板が落ちなくなっていた。

 

以上ですが、参考になりましたでしょうか?

残滓について

 

 

 

 獲物の残滓を山中や林道等に放置できなくなりましたが、意外と法律文そのものを詠んだことのない人多くいます。 ここでは法律そのものを載せたいと思います。残滓の放棄はどのような文面で禁止されているかが良く分かります。

 

     鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
      最終改正:平成二六年五月三〇日法律第四六号
     鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正七年法律第三十二号)の全部を改正する。

 

(鳥獣の放置等の禁止)
第十八条  鳥獣又は鳥類の卵の捕獲等又は採取等をした者は、適切な処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として環境省令で定める場合を除き、当該捕獲等又は採取等をした場所に、当該鳥獣又は鳥類の卵を放置してはならない。

 

 

 

     鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則
       最終改正:平成二七年一二月二四日環境省令第四一号

 

(適切な処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合)
第十九条  法第十八条の環境省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一  地形、地質、積雪その他の捕獲等又は採取等をした者の責めに帰すことができない要因により、捕獲等をした鳥獣又は採取等をした鳥類の卵を持ち帰ることが困難で、かつ、これらを生態系に大きな影響を与えない方法で埋めることが困難であると認められる場合
二  過失がなくて捕獲等をした鳥獣の行方を確知することができない場合
三  法第十三条第一項の規定により捕獲等をした鳥獣又は採取等をした鳥類の卵を農地又は林地に放置する場合 四  漁業活動に伴って意図せず捕獲等をした鳥獣を、当該捕獲等をした場所で放出する場合

 

 どうでしょうか?法律違反はハンター本人が問われますので、法律本文をよく読み猟現場での主張・反論の出来る様ハンター本人が考えて下さい。
 現場検証では警察官が法律を超えるよう解釈をする事があるようにも聞いております。

 

 

 

 

 

シカ発見のために

 

以下は友人のハンターが取りまとめた文章です。非常に参考になりますのでご一読ください。

 

シカ発見のための「普段の注意点」について

 

1. 場 所 (林況・地況等)

 

川沿い及び沢
早朝または目没前に目視する機会が多く、特に水辺周辺及び水位の高い箇所には「ヌタバ」が あり大型雄成獣を目視することがある。意外と「のんびり」と立って居る場合もあるので、100m先程度までは注意深く見渡しながら走行する。

 

峰 筋
日中は、ほとんど見渡しのよい峰筋などで休息している場合が多く、車で探索する場合は稜線を 観察し、立木と異なる物体や丸い物体を双眼鏡で確認する。稀に鹿の形がうっすらと立木の間に浮かんで見えることがある。
 徒歩により稜線を探索する場合、自分が歩く稜線の左右・上下の斜面などを交互に見渡し、又は、歩く左右の稜線や斜面を観察する。特に作業道・集材道など鹿の休息する場所は、数分間歩行を停止し注意深く観察する。歩行を停止すると動く物体が鮮明に浮かぶ。歩行中は獣道の発達度と方向・糞の新古の別・角とぎ跡の確認を怠らないこと。また、歩く速度は汗をかかない程度で目と耳を澄まし、ゆっくりと歩くことを心がける。

 

中 腹
木材生産を施した森林では、沢と稜線との中間にいくつもの作業道や集材道が設置されており、その部分は平坦で鹿などの動物が休息するに適した場所である。 しかし、斜面全体を探索するには無理があることから、これらの旧道を観察しながら低速で走行する。角又は頭だけが見える場合もある。また、立ち上がる場合もある。

 

平 地
 森林内の平地(立木のないところで草木類の繁茂している箇所)ではなかなか発見する事ができ ないが、平地よりもやや高い箇所で車を止め、観察すると稀に角先や顔が見えることがある。特に ヨモギやハンゴンソウの多い所では可能性が高い(鹿も安心し、一気に逃げない場合が多い)。

 

伐採跡地
 新しい皆伐跡地などの伐採跡地には広葉樹の枝条(しじょう=支幹と枝)が散乱しており、その枝を食するため鹿が集まる(特に深雪時)。また古い伐採跡地は注意を払って走行する程度で可。積雪時に黒い物体や動く物体は必然的に目に入るので、その都度確認する。

 

新植人工林
 降雪前の新植人工林は特に嗜好植物のクローバー等が短年間生育するため、早朝は遭遇する率が高い。また、2~3年経過した新植人工林でも5年間程度は下草刈りを実行するため嗜好植物が生育し発見率は高くなる。車で探索するコースに2~3箇所当該条件に該当する箇所を含み  探索すると発見率も高くなる。当該地は深雪時になると生息数が激減する。

 

間伐跡地
 カラマツ・トドマツなどの間伐跡地は植列もハッキリしており、低速で列間を観察し走行する。列の中では意外と鹿も「のんびり」している場合が多い。また、下枝の未整理造林地では足や胴体の一部が見えることもあるので、注意深く観察し走行する。意外と近距離(20~30m)で発見することができる。斜面違いの間伐地・列間の明白な造林地も同様の手法で観察し走行する。
 畑・牧草地
 収穫後の畑や牧草地では日の出直後・日没前に高い確率で発見することができるが、長距離射撃となるため捕獲率低下・肉質低下(走るため高熱になる)のおそれが高い。条件のよい畑・牧草地を事前にリストに入れておき、徒歩によりベストな箇所まで移動し射撃する。また、深雪になるまで畑には食料が残っているため、毎目のように出没するが次第に行動は敏速となり捕獲率が低下する。 牧草地も同様。

 

2. 天 候
 天候の崩れる前兆(天気予報で降雨・降雪前夜等の気圧低下)のあるときは特に採餌活動が 活発になるため発見率は高い。また、曇り空や小雨等で目中でも暗い日は昼時でも採餌活勣をし                
ている場合がある。晴天時は早朝・夕暮れ時を除き活動は鈍い。大雨・吹雪時も活動は鈍い。ただし、天候回復時の数時間後は活動が一段と活発となることが多い。

 

3. 時 間 帯
 採餌活動は夕暮時から早朝が主であり、日中は例外的な地域(知床地区・各鳥獣保護区等)を除き人目に付かない箇所で採餌・反すうしている。具体的には、人の出入りのない箇所・車道から盲点となった斜面のくぼ地・見晴らしの良好な稜線・耕作地や牧草地近辺で広葉樹小径木の繁茂した箇所・透視性の悪い若年人工林・高山の笹地などに普段生息し、早朝・夕暮れに出没するのが一般的であり、徒歩によりこれらの地域を探索することにより日中でも発見率は高くなる。

 

4. 嗜好植物
 鹿は基本的に何でも食するが(ツタウルシまで食する)、特に若い牧草やクローバーを好んで食する。このことから、牧草地の位置や伐採跡地(特にクローバーが生えている箇所)で若草の生える位置をマークすることが重要。また、牧草地などが近辺にない箇所では草木類の繁茂する土場跡地(蕗などの草木類が多く生育する)・林道や作業道の法面・治山工事緑化跡地に嗜好植物が多く生育する。天然林では針葉樹10割箇所より広葉樹が5割程度混人している箇所のほうが植生種類も多く生育している(針葉樹林は隠れ場所・広葉樹林は採餌場所の例が多く、林型はパッチ状の森林を好む)。広葉樹林では多種樹で構成された森林の方が好ましく斜面の方位は真南以外の箇所が嗜好植物のオヒョウニレやイチイそして多種の草本類が生育する。
 一般的に広葉樹を主体とした高蓄積の森林のほうが生息数は高く、斜面方位に関係なく生息し
ている(広葉樹が多く混成する方が木皮やクマイザサ等、鹿の食料となる草木類が多い)。
深雪期になると草木類も減り主食はクマイザサと立木皮となるが、クマイザサを採餌できなくなると平坦地から急斜面に移動し採餌する(採餌が容易となるため)。この時期は群れとなる場合(雄・雌別で雌の群れに幼獣が混ざる。幼獣は深雪のため餌取不可となり成獣と行動を同じくする)が多く、特に斜面に設置された作業道や集材道の片崩し面のササ密生箇所に群れることが多いので、当該箇所では慎重に探索する。
 針葉樹と広葉樹の混交率や林分状況・森林蓄積・林地斜度・林道・基幹作業道等は施業管理計圃図(2万分の1から2万5千分の1。森林管理署にて3500円程度で購入可能)に明記されているので図面からの情報も得ることができる。

 

5.その他
 ・ 突然道路を横切る鹿との遭遇時は、渡りきらない個体がいる場合が多いので反対側も見る。
 ・ 単体の個体や幼獣はのんびりしている。複数の個体は1頭が逃げると全て逃げる場合が多い。
 ・ 裸地や見通しの良い箇所では「真ん中」を見ないで隅々を観察する。
 ・ 林道のカーブ先(見えない箇所)には意外と鹿や車両がいる(徐行運転)
 ・ 新しい足跡・糞などの残る箇所は、近くにいることを想定する。
 ・ 林道よりも作業道、作業道よりも集材路と、より細い道のほうが発見率は高い。徒歩が有利。
 ・ 車両による猟は、後続車に道を譲る。低速で樹幹下を「のんびり」観察し探索(立ち上がり多)。
 ・ 多人数での「しのび猟」は、外側でなく中間帯に入り仲間より遅く歩く(戻る鹿が多い)。
 ・ 「しのび猟」では一気に目的地を目指さない。獣道や沢・集材路を下りてくる個体が多い。
 ・ 数多く目撃する箇所は、生息適地と判断し繰り返し巡回する。
 ・ 猟の服装は目立った色彩でも影響ゼロ。匂いも影響薄い。但し、動き・小さな音には敏感。
 ・ 猟場の地形・毎回の逃走経路そして、胃の内容物を把握すること。
 ・ 逃げる獲物を発見した場合、立射は不可。止まるまで待つか、諦める。

 

 ※ 以上は公道(林道・作業道等)から獲物を発見し、銃袋ごと銃を持ち出し、公道の法面外から
  射撃することを前提(常に合法的行動)として列記した。

 

• スコープを100%調整し、距離計で距離を測定し、銃を固定さえすれば、例えば自動銃30-06 弾頭150grでも静止した鹿であれば300m程度の遠距離でも高い確率で捕獲することができます。
(銃種には特にこだわらない。せっかく発見した獲物も、銃が未調整では後侮が残るだけではないでしょうか。)

 

 

 

 

 

2発目について

 

 連発銃(ボルト銃を含む)をお使いの皆様は、獲物を撃つ時に当然の事として、2発目・3発目を撃っている事と思いますが、1発目と2発目、3発目はそれぞれ命中する確率が違う事を認識しているでしょうか?撃たれた獲物は当然逃げ始めます。撃てば銃の反動があり2発目の照準は狂ってしまいます。そこで当然狙い直しをするのですが、獲物の逃げる方角は上下左右とです。狙いをつけて2発目を発射しますが、今度は1発目に比べ遠い距離を撃つことになります。3発目を撃つこともあります。3発目は2発目よりも通常より距離もあり角度も付きますから撃つのはより難しくなります。
 この様に考えると当然1発目が狙いも射距離も1番有利な条件となります。ところが多くの場合1発目を撃ちながら2発目、3発目の事を考えながら撃つハンターやシューターが多く見られます。1発目が1番有利な条件で撃てることを忘れ、2発、3発と撃つことで獲物をたくさん捕獲できるのではないかと思ってしまうからです。結局1発目も2発目も3発目も外してしまい,何も獲れなかった経験がありませんか?
 基本は当然の事としてライフルも散弾も一緒ですが、まず1発目を大切に撃つ事です。散弾銃だから弾が広がってくれるのでこれぐらいで当たるだろう等と安易に狙ってはなかなか当たりません。散弾銃でも中心に狙いを付けないと当たらないのです。
 2発目も1発目同様慎重に撃ちましょう。3発目はどう撃つかなど先の事を考えてはいけません。普通正しく狙い撃てるのは2発目まででしょう。散弾銃で二連射はは3発、ライフル銃であれば5発迄の連射が許可されています。ですが3発目もあると考える事には多少の無理があると考えるべきでしょう。
 結論は1発目は慎重に狙いを定めて撃ち、2発目も慎重に狙いを定めて撃つ。もし余裕があれば3発目を撃つというのが考え方でしょう。狙いを定めて撃つのがポイントです。

何処を狙う

 

 大物猟に於いて『何所を狙う』が今回のテーマです。『見えたから撃つ』のではなくどこを狙うのかが問題です。狙うのは標的の場合はその中心で、狩猟の場合は獲物の急所です。急所は頭と首、心臓の3か所のみです。その大きさは頭であれば直径10㎝、首では直径5㎝、心臓でも直径15㎝程度です。意外と小さいものです。私は、急所以外は見えていても、半矢で逃がしてしまう可能性がありますので撃ちません。私の場合よく狙えなくて撃たずに逃がしてしまう事はよくあります。その日は狙いをつけるチャンスがあった事だけでも満足します。
 狩猟は思っている以上に難しい事です。撃つ方はエイヤツと当たっても当たらなくとも撃てばいいのですが、撃たれる方は命が係っているのですから。急所でない所に着弾してそれでも逃げようとする姿を見ると、私は『かわいそう』とか『あわれ』とかを感じてしまって自分が感じる爽快感などどこにもありません。獲物と自分の間の悪さだけを感じます。
 獲物と一対一で向き合い、知力と体力の限りを尽くして渡り合う事、自分には遠くても当てられる銃がある事のみが私の有利な点です。何でも撃って捕獲できれば良いとは考えていません。
 繰り返しますが、獲物の急所は、頭、首、心臓、だけですから必ず急所を狙って発砲しましょう。そうすれば事故もふせぐことができます。先日には公道走行中の車に弾が当たったそうです。狙ってもいないものよく当たるものですね。勿論犯人は解っていません。銃弾は最大4㎞程の最大到達距離がありますので、必ずバックストップを確認御発砲しなければなりません。獲物を発見したから発砲するのでは無責任で、且つ危険な事です。獲物はその急所をしっかり狙って撃つことを実践して下さい。全国では毎年のようにそういった事故が起きています。皆さん、ご注意ください。

 

 

 

 

 

銃の寿命について。

 

 銃の寿命はとても永長く親子二代でも使える程のものです。ライフルで言えば射撃の命中精度は5,000発、狩猟では7,000発と言われております。この数も大体の精度保証ですので、1年平均で100発以下の発射が一般的なハンターだと70年もつかえます。ですから中古銃を選ぶとき発射弾数を気にする事はないと思います。気にすべきは銃の精度で、精度は銃身の太さと加工精度に直結しています、銃身メーカーはどこか?トリガーは信頼できるかを詳しい銃砲店で聞くことが大切です。特にトリガーは移動する獲物や標的の場合でも大切なパーツです。 
 中古銃はハンターの年齢とか 目的の変化等により使われ亡くなった銃を当社で買い取り、オーバーホール、修理・清掃後再販しているものですので、使用弾数を気にする事はありません。気にすべきことは銃のガタでしょう。銃のガタ直しは至難の事ですので、敬遠することが無難です。
 性能とは無関係ですが、銃の表面の錆については中古銃の価格と相談して決めるべきです。銃身内部の錆についてこれは直しようがありませんので遠慮するのが無難です。木部のキズについては性能とは無関係ですので価格と相談でしょう。木部のヒビについても機能に問題のない限りこれも価格と相談です。
 銃の木目を気にされる方は減りましたが、全体的な美しさより引き金のシャープさが重要です。散弾銃もライフル銃も同じことが言えますが、引き金は重さ、ストローク等に違いがありますのでこの点に注意して選ぶことです。レミントンやウインチェスターには引き金専門メーカーの製品を手に入れる事も可能ですので、引き金を考える時はその事も加えて下さい。私は銃のメーカーと違った引金専門メーカーのトリガーを0.85㎏の重さで使っていますが、着弾が非常に正確で使い易いものになっています。以上が中古銃選びの着眼点です。
 銃砲は大事に使うと親子2代ででも使えるえる事がお分かり戴けたでしょうか。中古銃を選ぶコツを銃身、トリガー、 銃のガタ、金属部のキズ、木部のキズ、に分けて説明しましたので参考にして下さい。

 

 

 

キャリバーと銃身長とツイスト

 

 

Caliber Twist:

 

22RF
- 10" * 60 gr. bullets Ratchet rifled 4 groove
- 14" * Twist for pistol barrels
- 15" * Special twist for rifle barrels
- 16" Standard twist for rifle barrels
- 16" Ratchet rifled 4 groove
- 17" * Special twist for rifle barrels

 

.224 CF
- 6.5" * Ratchet rifled 4 groove
- 7" for bullets up to 90 gr.
- 7.5" * Ratchet rifled 4 groove
- 8" for bullets 80 gr. and under
- 8" * Ratchet rifled 4 groove
- 9" for bullets up to 70 gr.
- 10" * for bullets up to 65 gr.
- 12" for bullets up to 63 gr.
- 14" for bullets up to 55 gr.
- 14" * Ratchet rifled 4 groove

 

6mm/.243
- 7" Special for VLD bullets over 100 gr.
- 7.5" * Ratchet rifled 4 groove
- 8" Special for VLD bullets over 100 gr.
- 8" * Ratchet rifled 4 groove
- 10" For bullets up to 95 gr. and VLD under 100 gr.
- 12" for bullets up to 85 gr.
- 13" * for bullets up to 75 gr.
- 13.5" * for bullets up to 70 gr.
- 14" * for bullets up to 70 gr.
- 14" * Ratchet rifled 4 groove
- 15" * Special for bullets up to 70 gr.

 

.257
- 7" * Ratchet rifled 4 groove
- 9" for bullets heavier than 100 gr.
- 10" for bullets up to 100 gr.
- 12" for bullets up to 90 gr.
- 13" * for bullets up to 80 gr.

 

6.5mm/.264
- 7" * for bullets heavier than 130 gr.
- 8" for bullets heavier than 130 gr.
- 8" * Ratchet rifled 4 groove
- 9" for bullets up to 130 gr.

 

.270
- 10" for all bullets
- 11" * for all bullets - 4 groove

 

7mm/.284
- 8" for all bullets-customer discretion 180 gr. VLD
- 8" * Ratchet rifled 4 groove
- 9" for bullets up to 170 gr.
- 11" for bullets up to 140 gr.
- 12" * special for high velocity
.307
- 13" * Special size and twist

 

.308
- 7" * for heavy VLD bullets and/or subsonic ammo.
- 8" for bullets heavier than 220 gr.
- 8" Ratchet rifled 4 groove
- 10" for bullets up to 220 gr.
- 10" * Ratchet rifled 4 groove
- 12" for bullets up to 170 gr.
- 13" * Ratchet rifled 4 groove
- 14" * for bullets up to 168gr.
- 15" * for bullets up to 150 gr.
- 17" * for bullets up to 125 gr.
7.65mm/.311
- 10" for all bullets

 

8mm/.323
- 10" for all bullets

 

.338
- 8" for all bullets
- 9" * Ratchet rifled 4 groove
- 10" for all bullets

 

9mm/.355
- 10" * Ratchet rifled 4 groove
- 14" for low velocity wad cutters
- 16" for all other bullets

 

9.3mm/.365
- 12" for all bullets
.38/.357
- 14" for low velocity wad cutters
- 18" for all other bullets

 

.358
- 12" for all bullets
- 14" for all bullets

 

.375
- 7.5" * Ratchet rifled 4 groove
- 12" for all bullets

 

 少し専門的な資料ですが、この資料は標的射撃銃身を得意とするシーレン社のものです。銃身長は様々ですが、ツイストは使いたい弾頭の重量によって替わる物だだという事がよくわかります。

 

 

 

 

コール猟について

 

 シカ笛を使い、シカの生殖本能を利用した猟法です。地域により違いますが、おおむね10月から11月末が適期となります。この猟は単独または2,3人での少人数猟をお勧めします。畑の周辺や山中でシカのコールを聞くのが猟の始めです。 畑の所有者や近隣の人達にコールを聞いたかどうかを確認する事から始めます。鳴くのはオスジカのコールです。場所は最後の畑又はその周辺の山です。私の経験では最後の畑から500M程林道を進んだ山中です。山中とは言っても最後の畑から500m位の距離の所です。
 次は撃ちやすい場所を捜します。林道を離れ作業道(歩道を含む)に入ればどこにいてもおかしくないので、慎重に歩きましょう。特に午後早めの時間であればシカが戻る途中の事が多く、沢水の流れている場所があれば注意してチェックしましょう。 
 ジカの鳴き声を聞いた時、又は近くにいそうだと感じた時は、笛に乗ればシカの方から近づいてきますので、その場の周りが良く見える場所決め、一声鳴いてみましょう。鳴き返しがあっても今度は笛は吹かずひたすら静かに待ちます。吹き返しをしたくなるところですが、ここはじっと我慢をしましょう。コール猟は吹きたい気持ちを我慢できるかどうかが分かれ道です。
 うまく騙せたらオスジカはバリバリ音を立てながら近づいて来ます。途中で再度鳴く場合もありますが、その場合でもコールは吹かずひたすら静かに待ちます。コールではなく小枝などで地面を叩いて誘うのは一つの対応です。
 いよいよ近づいたら静かに銃を構え確実に急所に発砲します。近いからとか大きく見えたから、と言ってむやみに発砲するのではなく、確実に急所を狙い発砲しましょう。
 シカ笛の吹き方はパソコン、携帯などで練習しましょう。『オスジカ 繁殖期の鳴き声』等で検索してみて下さい。私の経験では吹き方は余り上手にならなくとも構いませんでした。吹いたり聞いたりするうちに様になってきます。声の上げ下げとコールの長さが似てくればそれでOKでしょう。まずは山の中でで吹く事が一番です。
 後は獲物の急所をしっかり撃つだけです。思ったより傍まで来ますので慌てずゆっくり引金をひいて撃ってください。

クレー射撃を上手くなる為に

 

 先ず申し上げる事は、上手くなるために沢山の弾を撃つ事が必須ではないという事です。古い人たちからはすぐ反論を受けそうですが、上手くなりたいその目的を考えてみて下さい。オリンピックの選手になることでしょうか?国体の選手になり上位入賞を目的にするのでしょうか?そういう人はあまりいないと思います。大多数の人はたまに射撃場へ行き、恥ずかしくないスコアでクレー射撃を楽しみたいのではないでしょうか?
 そいう方を考えてみると、やはり弾数は不要だと断言できます。では少ない弾数でどうすればいいかという事ですが、 先ず最初は反動に慣れなければなりません。反動にも慣れ目を閉じなく狙い撃てるようになれば、練習の始まりです。
まず自分が撃つ事と平行しする事は、他の人のフォームを真似る事です。真似るにはそのフォームをクレーの待ち方、体重
移動、スィング、動かす体のタイミング等細かく分けて分析します。上手い人、あまりうまくない人、自分、とを比較し分析するのも一つの方法です。これは自分の経験ですが最終的には上手い数人の人を対象として真似る事でした。私は冬季間を除き週1回の射撃場、1回50発から75発の練習で3年ほどである程度クレーに当てる事が出来るようになりました。
そう言った練習で5年目ぐらいにクレー射撃協会の公式大会で90,93の自分でもびっくりした成績をだしました。大会ですし、自分の撃ってる弾数を考えると,マグレでも当たってくればと思い乍ら撃っていた事を思い出します。
 他人の言う事を聞くより、他人の上手い所を分析し自分も真似てみる事が一番の近道だと確信しています。

他にライフル・スラッグの弾道とエネルギー、平均着弾点、猟装品、等についてお話をします。

他にライフル・スラッグの弾道とエネルギー、平均着弾点、猟装品、等についてお話をします。