下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる  ホント? うそ?  2020/08/08

ホントですが,間違いもあります。銃は引き金を引けば、引力・風などの影響を受けますが必ずどこかに着弾します。この意味ではホントですが、狙った獲物に当たるかどうかは全く保証されるものではありません。弾頭は引き金が落ちた瞬間の銃身の延長線上の一点に向かって突進するもので、狙った所へ突き進むものではないからです。、
狩猟は狙った獲物に弾を当て、捕獲するという2つの結果が同時に求められます。捕獲するには急所に確実に着弾させなければなりません。急所を外した場合獲物は半矢となり元気に逃げ回り、ハンターの多くの時間と体力を使ったうえ取り逃がすという情けない結果となるでしょう。
急所に当てるためには勿論急所を狙うわけですが、急所の大きさは、首であれば上下に長い直径5p程の脊髄、頭であれば直径10p弱の頭蓋骨、前胸部が一番大きくて直径20p程度です。皆さんのイメージとは違い急所とはとても小さいものです。
ここで銃を機械で完全に固定しない限り起こる銃口のブレを考えてみましょう。発砲の際に銃口が狙った所から1oブレたとすると、100m先では10pのブレになりますし、2oのブレは100mで20cmのブレになります。ブレの原因ですが、一つは自分自信の体の揺れ、二つは引き金の引き方と言われています。獲物を獲り逃がしたハンターの多くは、ちゃんと狙って引き金を引いたのに当たらなかった。どうしてだろうと悩みます。
銃は狙った場所と引き金が落ちる場所を一致させるには、大変な練習が必要なのです。この基本的なことはよく獲物を捕るハンターは解っていますが、多くのハンターは、狙って引き金を引いたのに当たらなかったのはスコープが狂ったのではないかとまず疑います。外した原因を自分ではなく、道具のせいにしてしまうのです。獲物の急所はとても小さく銃口で1o、もしくは2oのブレが狙った所を外してしまう事を思い出してください。
この事は射撃場でベンチレストの姿勢で空撃ちをすれば良く分かります。実包を発射したのでは、強烈な反動があるのでどこで引き金が落ちたかが判りません。必ず空撃ちで確認して下さい。空撃ちでは簡単に1oとか2oの単位のブレが起きてしまう事が判ります。例えベンチレストであっても、ガク引きすれば必ず着弾に狂いが出ます。静かに引き金を引くのは大変難しいのです。道具を疑う前に自分自身の責任を感じて下さい。
狙いと誤射事故の関連をここで一言。獲物を獲りたいという誘惑(猟欲)に負けずに、急所を狙えた時だけ引き金を引く強い意思があれば、誤射事故は起きませんし、獲物を確実に射止めることが出来るでしょう。獲物のシルエットが確認できたからといって引き金を引いてはいけません。確認すべきは獲物の急所です。これはハンターの鉄則と考えましょう。
50年間銃を販売し乍ら、仕事を忘れるほどシカ猟に夢中になっていた鉄砲屋の親父の経験ですが、この他にも銃に関してハンターの皆さんが誤って理解していることがたくさんあります。標題の『下手な鉄砲数うちゃ当たる?』はその代表です。『銃の空撃ちは絶対やっちゃいけない』は如何でしょう?このことは次回以降にお話しします。

 

 

 

 

 

シカ猟での2つの重要な事   2020/08/09

 

 @獲物を見つける事 

 A急所を狙い正確に発砲する事。この2点のみです。

 

 今回は当たり前の事をお話しします。

射撃場で十分練習しました。いつ獲物がいても完璧に仕留められる自信があります。

ハンターが次に習得すべきことは何でしょう。
 それは早く獲物を発見することです。誰もが知っている事ですが、野生動物は見通しの良い明るい場所より見ずらく暗い場所を好み、そういう場所で休んだり行動します。ですからベテランハンターが シカを見つけるには、周囲より暗く見ずらい所の木のそばを捜します。なぜ木のそばか?それは動物には立ち木で胸部を隠そうとそうとする本能があるからです。ハンターがシカを見つけた時は、太さに関わらず木で胸部を隠すように立っています。
 そういう時はハンターがシカを見つけたのではなく、ハンターがすでにシカに見つかってしまっていると考えましょう。その証拠にシカはいつでも逃げ出せるような体勢で立っています。
 ではハンターはどうするか?あわてない事です。ハンターの急な動きがシカの逃げ出すスイッチになります。なのでゆっくり静かに銃を構え急所を狙い発砲しましょう。
 では、シカを見つけるには具体的にどうするのでしょう。どちらかというと暗いところの木のそばを重点的に探します。周りより黒っぽくて丸い物があればシカの可能性があります。この時のシカは『人間が来たが、自分はまだ見つかっていない』と安心してこちらを見ています。注意すべきはいつも横向きで立っているとは限りません。真正面、後ろ向き、斜め向き等色々あります。横向きのイメージのみをもってでシカを捜すのは、見逃しの可能性が出てきますので思い込みは除外しましょう。
 獲物がハンターに気づいてはいるが自分は見つかってっていないと安心している時が発砲のチャンスです。もしシカが動いている時はあわてて撃たずに止まるまでチャンスを待ちましょう。しっかり委託して狙って撃てる場所を探すのも有効です。首・頭・前胸部を狙って撃ちましょう。山中なので射撃距離は100m前後ですが、静かに『寒夜に霜の降るごとく』引き金を引きましょう。
 考えて下さい。銃は狙いをつけ引き金を引いた所に着弾するのではない事を。弾頭はトリガーが落ちた瞬間の銃身延長線上の一点に着弾します。正確な発砲の為には、射撃場で練習しましょう。実包をたくさん撃つことよりも、まず空撃ちを10回ほど繰り返し、狙った所でトリガーが落ちたかどうかをしっかり確認しましょう。この練習は実包を撃つ事より重要だと考えています。

 

 

 

 

 

 猟場で発砲する時は色々な条件下でトリガーが引かれますので、早く、ゆっくり、強く、静かに・・いろいろ試してみて下さい。どんな結果出るでしょうか?

 

 

 

 

鹿笛(コール)猟に挑戦しましょう  2020/08/10


 コール猟とはシカ笛を使いオス鹿を騙し、ハンターの面前におびき寄せる狩猟法です。私は鹿を騙すかけ引きが面白くてシーズンにはコール猟をよく楽しみました。



 シカがコールにのるのは、地域差はありますが10月初旬から11月末までの繁殖期に限ります。

簡単にいくものではないと思われていますが、山の奥まで歩く必要もなく、笛を吹いてじっと待っているだけですので、新人は是非挑戦してしてみましょう 。

 まずコールを入手します。コールは銃砲店で売っています。次にオスジカのテリトリーを捜しまし

ょう。ハーレムは山の奥ではなく意外に近くにあります。具体的には、日頃彼らの餌場となっている
最後の畑から300mから500mほど林道を奥に入った近辺で、作業路をさらに徒歩で200mか300m入った場所で、午後から夕方にかけてよく耳をこらせば聞こえますし、コールを吹けば答えてきます。農家の人と仲良くし鳴いている情報を教えてもらうのも一つの方法です。

 次にシカ笛の吹き方ですが、ハーレムの近辺で実際のコールを聞くことが理想ですが、忙しいハンターはネットでコール猟の動画を捜し聞いてみて下さい。その際大事な事ですが、シカ笛を強くかつ上手に吹かなければならない事はありません。私から店頭でシカ笛を2,3度吹いて教わっただけの新人ハンターが、翌日山に行ってシカ笛を吹いたところ40p~50pの角を背負ったシカが走ってきたそうです。狩猟を始めたばかりの彼が上手に吹けたとは思えませんが実際にあった話です。なぜでしょうか?       シカが笛に乗るかどうかは、人間の判断ではなくシカ任せです。強く上手に吹けばいいかどうかもオスジカの闘争力とハンターの関係が重要なのです。オスジカの本能を騙せば十分だからです。


 ハンター自身ではなくハーレムの主の立場になって考えましょう。上手に強く何度でも吹くとかえってニセものだと分かってしまい、笛に乗らない事がよくあります。シカのコールを聞いたなら、ハンターが吹くのは1分くらいの間をあけてせいぜい2声です。これで十分です。15分か30分くらいでチャンスが来ます。何度でも繰り返し吹くのは止めましょう。


 オスジカを騙せれば威嚇のため接近してくると言いましたが、実は笛に乗ったオスジカは2種に分かれます。1つは闘争に自信がある大きなオスは、鳴き返しの直後からガサガサ音を立てたり、角で音をたてたりし威嚇しながら接近してきます。このようなオスジカを仕留めるのは簡単です。私の経験では5,6m位の距離まで近寄ってきてスコープで狙えなく腰だめの状態で打った経験もあります。

 厄介なのは角のサイズが40p~50pの中型のオスの場合です。この場合は全くと言っていいほど鳴きもせず、音も立てないで接近してきて、ハンターの近くでジッと様子を見ています。音もないし気配もないので、来ないと判断し立ち上がったところ、すぐ後ろから飛び出されて撃てなかったという話がよくあります。立ち上がる前は、静かに周りを確認してから立ち上がりましょう。

 まとめです。ハーレムは山奥ではなく作物収穫期の畑の近くにあります。コールは多少下手でもオスジカを騙せれば十分ですので何回も吹かない事が大事です。何回も吹くと偽コールがばれてしまいます。コールに乗った場合は2種類の接近タイプがあります。1つは音を立てて威嚇をしながらくる場合と、全く音を立てないで接近してくる場合の2つです。コールを吹いたら絶対に動かない事と音を出さないで自然と同化する事がポイントです。健闘を祈ります。

 

 

 

 

 

遠距離(650m)射程シカ猟の話   2020/08/23

 北海道北見市に信じられないほどの遠距離射程のシカ猟を楽しんでいるハンターがいます。使っている銃はRem.700の308Win.で130グレィンの弾頭を初速3,000Ft/sで撃っているそうです。一般的なハンターの常識では、射距離・口径・弾頭重量どれをとっても『ほんとかいな』の世界ですが、当人は遠距離射撃を本当に楽しんでいます。彼に簡単な質問をしてみました。

 『なぜ308Win.で650mもの遠距離の獲物を狙うのですか?』答えは、『308Winは反動も少なく撃ちやすいから使っています。前胸部に当てれば半矢もなく捕獲できます。270Win.の130グレィンでは759mでオスジカを捕獲した記録もあります。』でした。
 彼は林道の駐車帯等駐車可能な所に車を止め、山の上に向かっている作業路を、銃を肩にかけビデオカメラ・距離計を入れたリュックザックを背負って30分から1時間ほど登ります。見通しの良いところに着いたら双眼鏡でシカを捜します。見つけたら、ザックを下ろし後方にビデオカメラを設置します。次にシカまでの距離を測り、ビデオで撮影しながら発砲します。飛んでいく弾頭は見えませんが、弾頭の飛行による衝撃波はしっかりカメラに記録されます。
 弾道計算やエネルギーに関する細かいデータは後日に譲ります。ここで考えたい事は、威力と命中精度です。遠距離射程猟を実践している彼は、『狩猟は当ててなんぼです』と言います。確かにそうだと思います。鉄砲屋としては発表しづらいのですが、使っている銃もごく一般に売られているレミントンですしキャリバーも308Win.なのです。しかも鉄砲屋から買ったままで、フリーフロートとかバレル交換等の加工もしていません。唯一トリガープルだけは自分で調整したそうですがただそれだけです。言い換えればほとんどお金は使っていませんので、銃砲店にとっては売上向上にはなりません。しかし『当ててなんぼ』はお客様にとってポイントをついていると思います。くどいようですが、『当ってなんぼ』ではありません。
 この信じられないような話は、狩猟でまず考えなければならない弾の威力と、命中精度について考え直すきっかけにして頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

 


ヒグマ猟ベテランのアドバイス集(1)
2020/09/13

 

10年ほど前ですが北海道自然環境課が編集した『ヒグマ捕獲テキスト』に、新人の皆さんに是非読んでいただきたいものがありましたのでご紹介します。全道各地のヒグマハンター14人を取材して編集したテキストです。罠猟も含めて87ページもありますので、エゾシカ猟の共通点もありますのでアドバイス集としてまとめました。

 

1.安全第一。決して無理をせず、発射の条件が良い時を待つこと。
2.クマの生態や習性を知る事。その事で捕獲の機会が増え、危険も避けられる。
3.クマにも一頭一頭個性がある。決めてかからず、あらゆる状況に対応できるようにする。
4.地形や自然の条件が違えば、クマの性質も違ってくる。
5.クマの気持ちで考える。(これはとても重要な事です)
6.ブッシュが多く見通しのきかない場所では、散弾銃を使用する。
7.口径が小さいライフルでも、きちんと急所を撃てば十分にヒグマを捕獲できる。(270口径)
8.軽くて持ち運びの良い銃が良い。
9.餌場となる場所を覚えておいて、時期になると見て回る。
10.クマも歩きやすいところを歩く。
11.山の7合目あたりで、日当たりがよく風が当たらない場所で休んでいることが多い。
12.クマも逃げやすい場所で休む。
13.人に追われたことのあるクマは、山の上の方にいる傾向が強い。
14.クマがいそうな所の見当がついたら、風向きに注意しクマより高い位置から接近する。
15.場所を把握したら   、風を見る。常に風下から近づく。
16.足音を立てずに忍び足で近づく。全神経を傾けて歩く。
17.近くなってきたと思ったら急ぎ足にならない。
18.風倒木や大木、地形の低みに注意。隠れて寝ていたり、餌を食べている事がある。
19.親子の時は木の上にも注意。子は驚いた子クマは木に登る。
20.走った跡があったら追わない。気づいたクマに追いつくのは難しい。
21.巻狩りをするときはリーダーの指示に従う。勢子は目立つ服装で声を出す。待ちが発砲する時は、クマの姿を見なければ発砲禁止。隣の待ちの方向には発砲しない。
22.待ちは木を背にして決して動かない。動かすのは目だけにする。
23.リーダーが重要。通り道に待ちを配置する。クマも明るいところは通らない。待ちは見通しの良い場所で待つ。木の上でもよい。決して動かずヒグマの姿を確認してから引き金に指をかけ発砲する。
24.複数で見回りをし、一人がわざと大きな音を出しながら帰る。ハンターが帰ったとクマを騙し安心させ、再び出てくるのを待つ方法もある。
25.15時頃から動き出すことが多いので、昼過ぎから待ちを掛ける。
26.近づけて撃つ。自信のある距離で撃つ。出来るだけ50m前後の至近距離で撃つ。
27.自分より高い位置の クマは撃たない。半矢のクマは斜面の下に走り危険だから。
28. 遠いものは撃たない。逃げるクマは撃たない。向かってくるクマを撃つ。
29. 立ち木に体や銃を着けて安定した姿勢で撃つ。
30.クマの骨格を知ることが第一。
31. クマが立っている時や正面を向いている時はあごの下を狙う。
32. クマが後ろ向きの時はしっぽの付け根(尾てい骨)を狙う。
33.横から撃つ時は前足を出したときに脇の下を狙う。
34.心臓に当たっても40m位走ってきたことがある。
35.肺に当たっていれば、のどを鳴らすので出血していなくても音でわかる。
36.弾が当たれば声を出す。弾が当たったところを噛むような動作をする。
37.脳がしっかりしていると動いているものを目掛けて襲ってくることがある。
38.音がすると音の方に顔を向けるので、頭を狙うのはよくない。
39.急所に当たっても逃げるのもいれば、いい所に当たらなくても倒れるものもいる。
40.着弾後、斜面の上に向かって走るクマはダメージが少ない。
41.倒れてもすぐには近づかない。絶命していることを確認してから注意して近づく。
42.倒れていても後ろから近づく。決して正面からは近づかない。
43.近づいてからも棒でつついたり、石を投げてみて反応を見る。
44.手を前に出して倒れている場合は危険。一人で近づくのではなく応援を頼む。
45.血の跡があってもすぐ追うものではない。30分から1時間後に追うべき。
46.雪が残っているなど追跡の条件がととのっている場合は次の日に対応する。
47.内臓に着弾していればどす黒い血が多く出て、内臓以外であれば鮮血が少量でる。
48.半矢になったクマは茂みの暗い場所に入る。
49.血をたどっていると急にずれる事(止足のことか?)があるので注意をする。
50.追跡の場合は直線的に歩かずジグザグに歩く。
51.追跡する時は後ろに冷静で腕の良い射手をつける。
52.半矢のクマは余力があるうちは逃げるが、追い詰められたら逆襲する。中途半端な傷は危険。
53.死ぬ寸前は丸まっている。少し元気が残っている場合は顔を起こしたりにらんでくる。
54.止足を何度も繰り返す事がある。沢を歩いていて急に斜面に登ったり、倒木の上や沢の流れの中を歩くのも止足の一種。
55.止足を使われ、気づいたらすぐ脇からうなられた。
56.止足があっても半矢のものでなければ襲ってはこない。半矢の止足は危険。
57.親子連れは母親を先に捕獲する。子だけの時は撃たないで親を先に捜す。親が残っている場合は、母親の本能で逆襲される場合がある。
58.急所でなくともクマのどこかに着弾させるとその場で傷口を噛む習性がある。噛んでいる間に第2弾を急所に当て捕獲する。(北海道編集のテキストにはありませんがこう話す地元のベテラン談より。


いいところを掴んでいると思います)

 

アドバイス集はこれで終わります。参考になりそうなことは幾つありましたか?

 

 

 

 

 


腔内弾道について2020/08/30

 ハンドロードでの薬種と薬量間違いの危険性についてお話しします。いつものことですが、1年間に2,3人のお客様が銃の薬室に薬莢の一部が残ってしまい『次弾が装填できない』とのトラブルで来店されます。ライフル実包ハンドロードのお客様は薬室に残ったものを回収できればそれでOKだと軽く考えているようですが、この現象は銃にとって非常に危険な現象の結果ですので、くどいぐらい説明することにしています。まず次の絵をご覧ください。


この表をどう見るかですが、キャリバーのツイストごとに推薦する弾頭重量が書かれてあります。全体を見て参考にすべきは、キャリバー毎に早い弾速を出したいのであれば長いツイスト、遅ければ短いツイストを選ぶべきという事です。この事は意外ですか?当然ですか?取敢えず参考まで。

 

この画の下方には銃身が書かれています。左側が薬室、右が銃口側です。薬室の先端付近から急に立ち上がっているのが腔圧曲線です。同じところから放物線のように書かれているのが弾速曲線です。弾速は0から始まって初速は820m(2,700ft)/秒を表しています   。

火薬は弾頭を銃口へ送り出すために圧力を上げます。それは180グレインの弾頭が25o動いた時点で、トヨタクラウン2台を指先で持ち上げるほどの高圧になります。必要な時間は撃針が雷管を叩いた直後(2/10,000秒程度)です。結果として弾頭が薬室から銃口を出るまでの時間は1/1,000秒程度の短時間で銃口から飛び出し目標に突進することになります。


この様な短時間のうちの物理現象ですので、薬莢の整形・火薬の品番・薬量等に少しでも間違いがあれば、異常腔圧を起こし薬室のふくらみ・火薬ガスの吹き出し・ボルト異常等の重大事故が簡単に起きてしまいます。しかしその前に必ず次の予兆現象が起きます。それは薬莢の切断・ボルトが重くなる・ライカンの脱管・雷管表面の扁平化です。雷管の扁平化は 発射前と発射後の外周部の丸みを比較すれば簡単に分ります。


このような予兆現象が起きた場合は   、火薬のオーバーチャージと判断し、その実包の使用を中止して下さい。銃を壊したり火薬ガスの逆流で火傷しては楽しい狩猟が台無しになってしまいます。


ついでながら、ライフルと散弾実包の参考データを紹介します。308ライフル実包の最高圧は3,700s/p2で銃口では600s/p2です。#12散弾実包の最高圧は770s/p2で28吋銃口では50s/p2です。ライフル銃と散弾銃の腔内で起きている圧力の差を考えてみる事も面白いですね。

外気温と初速の関係については、30-06の場合10℃の上昇で変化で初速は+10m(+393.7インチ)になります。この事についても次回以降の課題としたいと思います。


 

 

 

 

 

ツイストと弾頭重量の    2020/08/26

 シーレンのホームページで興味ある記事を見つけました 。

キャリバー/ツイスト 適 合 弾 頭 重 量
243-10   for bullets up to 95gr. and VLD under 100gr.
243-12   for bullets up to 85gr.
243-14   for bullets up to 70gr.
6.5o-7   for bullets heavier than 130gr.
6.5o-8   for bullets heavier than 130gr.
6.5o-9   for bullets up to 130gr.
270-10   for all bullets
7o-8   for all bullets-customer discretion 180gr. VLD 
7o-9   for bullets up to 170gr.
7o-11   for bullets up to 140gr.
308-8   for bullets heavier than 220gr.
308-10   for bullets up to 220gr.
308-12   for bullets up to 170gr.
308-14   for bullets up to 168gr.

 

 

 

 

 この表を皆さんは見た事がありますか?勿論私も始めてです。バレル専業メーカーのものです。我々がよく目にする装弾メーカーのデータブックは、工場製装弾のみを考えればよいので細かいものはありません。当然ですね。これはバレル交換を考えるハンターにとって無視できないデータです。
 この表をどう見るかですが、キャリバーのツイストごとに推薦する弾頭重量が書かれてあります。全体を見て参考にすべきは、キャリバー毎に早い弾速を出したいのであれば長いツイスト、遅ければ短いツイストを選ぶべきという事です。この事は意外ですか?当然ですか?取敢えず参考まで。

 

 

 

 

 

 

ライフル銃身のクリーニングについて  2020/09/05

 

 ずい分昔のことですが、札幌の西岡にある陸上自衛隊の射撃場で日ラの全国大会が開催されました。この射撃場は300mが撃て、オリンピックも開催可能な素晴らしい射撃場でした。全国から集まったライフルマンが選手権をかけて戦っていました。種目の中に300M3姿勢120発というのがありました。選手は立射・膝射・伏射をそれぞれ40発づつ撃って合計点を競うものです。撃つ弾の合計はそれぞれの姿勢での試射を含め約150発ほどです。
 競技中はルールに基づく行動は自由でしたが、誰一人銃身に油をさしたりクリーニングロットを通すようなことはしませんでした。この事から判断すると、銃身のクリーニングは150発ほど撃っても精度には影響がない事が分かります。結論としては、狩猟シーズン中の消費量が年間150発以内であれば銃身クリーニングは狩猟終了後で良い事になります。
 但し狩猟は雨が降るときもあれば、濡れた芝や藪を漕ぐこともありますので、毎回猟から帰った後は銃腔内を含めた銃に錆が出ないように、外部をガンオイルでクリーンアップする事と銃腔内は水滴等が残らないようにパッチ等で拭き上げることが必要です。
 銃身内に油を引いた後ですが、射撃場でクリーニングショットを2,3発撃っておかないと、猟に出た時の初弾の着弾が狂う事も覚えておいて下さい。
 しっかりしたクリーニングとは 、 ボア―ソルベントと ガンオイルとを用意し銃身内の火薬のカスと実包のジャケットの金属片をボア―ソルベントで浮かせて除去した後、ガンオイルを塗りすぎないように注意して塗布し、クリーニングショットを済ませておくことです。これが有害駆除に備えることになります。銃身外部と機関部等の可動部等の金属部分はガンオイルでクリーニングをしましょう。ライフルにはボア―ソルベントとガンオイルの2種類を使い分けしましょう。
 ライフル実包の構造ですが、鉛弾はコアが鉛、ジャケットは銅95%亜鉛5%のギルドメタルです。北海道で使われている銅弾は純銅製です。銃身内のライフリングに接する金属は銅弾も鉛弾も銅です。 くどいようですが、ライフルのクリーニングには火薬のカスと金属片を溶かし出すボア―ソルベントと、銃の防錆と潤滑の為のガンオイルがあることを知っていただき、この2つ使い分けて正しいクリーニングをしましょう。